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イギリスお家奮闘記

フィリップ殿下の追悼番組に視聴者から苦情が殺到


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金曜日に99歳で亡くなったエリザベス女王の夫君フィリップ殿下。

日本では「イギリス全土が喪に服している」的な報道が多いようですが

本当のところはどうなんでしょうか。

  

公共放送のBBC崩御が発表されてから

金曜日の通常のプログラムを特別追悼番組に全面差し替え。

王室関係者やコメンテーター、フィリップ殿下の友人たちなどが

スタジオに生出演したり、この日に備えて事前に撮っておいた

ドキュメンタリーなどでひっきりなしに彼の人柄やエピソードを語っていました。

 

しかしこれに多くの視聴者が反発。BBCにクレームが殺到したそうです。

金曜日の夜は通常であればEastEnders、MasterChefなどの人気番組が

予定されていて、追悼番組に差し替えられただけでなく

同じ番組がBBC OneでもBBC Twoでも同時に放送されたのです。

BBC Fourに至ってはすべての放送を休止し

BBC Oneを見るようにとのお知らせだけでした。

 

王配殿下の逝去で公共放送が特別番組を放送するのは当然。

でも全部のチャンネルを追悼番組で占拠するのではなく

視聴者の番組を選ぶ権利も尊重してくれよ、ということなんでしょうね。

 

ここまでなら理解できます。

日本だって皇室関係の慶弔や大きなニュースが起きて

テレビの放送がそれ一色になると同じように違う番組を見たい

というクレームは必ず出てきます。

それ自体は至極当たり前で驚くことでもないのですが、

今回えっ?と思ったのはBBCがわざわざ専用の苦情受付フォーム

しかも『エジンバラ公フィリップ殿下の崩御 BBCテレビの過剰報道』

(原文は“ Death of HRH Prince Philip, Duke of Edinburgh

   - too much coverage on BBC TV ”)

というタイトルまでつけてホームページに載せたことです。

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BBCのフィリップ殿下報道についての専用苦情受付フォーム

(Yahoo News UKの記事からお借りしました)


BBCに対してオンラインでクレームをするには

色々なカテゴリーとかいちいち選ばなければならくて面倒なので

彼らとしては想定以上の苦情が来たので入力する手間を省く

という親切心?で作ったフォームなのかもしれませんが、

専用フォームがあるってそれほどたくさんのクレームが来てるのか!

ということをわざわざ印象付けるような結果になっています。

いくらなんでもやっぱり専用フォームはやりすぎな感が。

 

BBCは日頃から左寄りだとして保守派の人たちから目の敵にされていて

今回の苦情受付フォームもわざと視聴者にフィリップ殿下の報道の

(ひいては王室の?)批判を煽るために作ったものだと

難癖までつけられてしまいました。

 

もちろんBBCがそこまで腹黒く目論んでいたいたとは思いませんが、

さすがに彼らもマズいと考えたのか、問題の受付フォームは

ホームページから削除されて今は見えなくなっています。

因みにBBCはどれくらいの件数の苦情が来たか明らかにしていません。

 

でもこれ、日本では考えられないですよね。

NHKが丸1日天皇の追悼番組を放送して一部の視聴者から批判を

受けたからといってそれに対して謝罪することはおろか

専用のフォームまで用意して苦情を受け付けるって。

ない、ない、絶対にない。

コレもしやったら、大多数の国民から顰蹙を買うばかりか

右翼の皆さんが絶対に黙っていないと思う。

 

有事の時はイギリス人の多くがBBCにチャンネルを合わせるにも拘らず

金曜日は視聴率的にも苦戦。

マチュアの料理人たちが競うMasterChefの決勝が放送される

はずだったBBC Oneは前週に比べ6%ダウン。

BBC Twoはなんと65%も視聴率を落としてしまったそうです。

 

他のテレビ局の追悼番組も同様で、

同じく通常のプログラムを変えて追悼番組を放送したITVもChannel 4も

それぞれ前週に比べ60%、8.5%のダウンとなったようです。

 

イギリス人の多くがフィリップ殿下の逝去のニュースに

それほど大した関心を持っていないようにも見えますけど

その一方で多くの人たちがバッキンガム宮殿やその他王室や

フィリップ殿下にゆかりの場所を花束や写真を持って訪れたり、

彼の死を話題にしたりしているのを見ると、

やはり大多数のイギリス人は追悼しているんだろうなと思います。

 

ダイアナさんの時のような若くて悲劇的で衝撃的な死ではないため

テレビにかじりつく必要がないだけで。

70年以上もの長きにわたりエリザベス女王を愛し支えてきた殿下。

数々の失言癖とか色々問題もあったようですが

イギリス人にとって彼は特別な存在だったに違いありませんから。

テレビの視聴率やSNSだけでは人の心は簡単に判断できないです。

 

なお、フィリップ殿下のお葬式は来週土曜日17日の午後3時から

ウインザー城のSt Georgeチャペルで行われることが決まったようです。

ロックダウンで参列者の人数も限られているため

ロイヤルファミリーの誰と誰が参列するのか、

ハリー王子もアメリカからやって来るのか、

不謹慎かもしれませんが話題がつきません。

また特別番組になるでしょうが、誰がなんと言おうと

私自身は絶対にテレビ放送見るつもりです。

 

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土曜日正午にイギリス各地で行われた弔砲 写真はロンドン塔でのもの

BBC OneのTV画面から)

 

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